音にならぬ叫びが、弾けた。
『B・11』
「・・・お前に・・・誠意は無いのか・・・っ!!!」
カガリが悲鳴を上げる。
「理由を実地で教えてやろうしてるだけだろ」
「しなくて・・・いいっ・・・ぁっ・・・!!馬鹿、ガキぃ・・・っ!!」
本人は意識していないのであろうが、甘さを含んだ声で牙を剥かれてもまるで迫力不足だ。
未だカガリの芯に自らの脚を押し付けたまま、アスランは苦笑した。
「じゃ、このまま教えてやる」
「・・・お・・・っ」
言い掛けて、カガリは反論の言葉を飲み込む。
何がきっかけで行為が続行されるか解らない。
そのカガリの葛藤を知ってか知らずか、アスランは薄く笑んだ。
カガリの両腕を片手で封じ直す。
「ビーはただの商売だ。
金払ってでも俺と寝たいって女が多くてね。
俺とじゃなきゃ、イケないって言い出すのもいるんだ。
ほんと客とるには困らない」
「・・・ば、売春・・・?」
カガリが掠れた声で呟いた。
「み、未成年が何犯罪に手を染めてんだ!?
し、しかも男が・・・!!」
「珍しいか?そうなのかな」
「女でも許せないのに!!てゆーか、よく金出してあんな思いをしようって気になるな!!
客もお前もどっちもどっちだ!!」
「・・・・・・・あんなもんって・・・・・・・・」
「だ、だが、じゃあ・・・」
カガリは息を詰めた。
「・・・お前の目的は金なのか?!」
「金?」
アスランが首を振った。
「金はおまけだよ。
まぁ、一生懸命貯めた金を俺に注いでいく様は、見てて気分が悪いものじゃないけどな。
・・・・・・・それよりも」
翡翠の瞳が細められた。
「普段は普通に振舞ってる女の子が淫乱な獣に変わる。
それを見るのが、本当に愉しいんだ」
―――何かが、引っ掛かった気がした。
だが、その懸念は掻き消された。
股間に押し付けられている脚が、唐突に小刻みに振動を始めたのだ。
「あぁっ・・・!!」
痺れが駆け抜ける。
咽喉から飛び出た己の声の高さに、カガリは驚愕し赤く染まる。
振動は止まらない。
それどころか、アスランは片方の手をカガリの服の下に潜り込ませ、胸を揉みしだき始めた。
「あっ、んんっ・・・・いっ、やだぁ・・・!!」
身を捩り、逃れようとするカガリにアスランは激しく口付けた。
舌を捻じ込み、歯列をなぞる。
「・・・・ん、ふっ・・・・」
チュパッと音をさせてアスランが舌を引き抜くと、カガリは荒く息を付き、ガクガクを脚を震わせた。
「あんたも獣になれよ」
胸の先端をクリクリと弄る。
「あぁ・・っ!!」
「他人の仮面が剥がれる瞬間って、最高に気分がいいんだ。
あれ・・・先生も仮面嫌いだから、ちょっと俺達似てるのか?」
―――また、引っ掛かる。
「・・・や、め・・・ろ・・・っ!!アスラン・・・・!!」
「同士に出会えた祝杯に、今日は思いっきりイカせてやるよ。
昨日は挿れただけで終わっちゃったから」
生暖かい舌がカガリの耳に入り込む。
鼓膜に水音が響いた。
大きく反り返るカガリの意志に関係なく硬く尖り始めた乳首を、少年は押し潰したり引っぱたりを繰り返した。
赤い夕陽が涙に濡れた琥珀を彩り、煌めいた。
耳を犯され、音は何もわからない。
身体中に、奇妙な感覚が走り抜けている。
だけれど。
「ごまかすなよ・・・っ」
必死に呻いた。
「本当の理由・・・当ててやろうか・・・っ」
微笑みながら優等生ぶった正論は吐き、甘い言葉を囁く。
だが、その笑みの奥には何もないのだ。
情を何も感じさせない、虚ろな瞳。
もしかしたら、それこそがアスランの本質なのではないか。
――ぞっとした。
アスランは、荒く息を吐きながらも必死に何かを言おうとしているカガリを見詰めた。
上気したその肌。
熱に浮かされ潤んだ瞳。
しかし、そこにあるのは怯えだけではなかった。
風の止んだ屋上に、暫しの沈黙が落ちる。
「・・・・・・・・・・・・支配したいからだろ。人を」
落ちた言葉に、アスランがカガリを凝視する。
桜色の唇が堪えるような声を零す。
「他人を大事に出来ないお前には、別次元の高嶺の花として羨望される事はあっても、身近な友として、恋人として心を開いてくれる奴はいなかったんじゃないか・・・?
仮面を被るお前だから、誰も信じられない。
他人の仮面を剥がそうと躍起になってるんだ」
だが、それは裏を返せば、他人を理解したいからだとは考えられないだろうか。
他人にとって自分がどんなものなのか。
或いは、他人に自分をもっと知って貰いたいから―――・・・。
(強烈に自分を植え付けられる方法で、他人と関係を結ぶんだ)
良くも悪くもきっかけがどうであれ、仮面を剥がされた者は剥がした者を無視する事は出来ないだろう。
まだ若い女子高生であれば尚更の筈だ。
他の誰も知らない自分を知られるという事は、困惑や怒り、或いは歓喜を呼ぶのだから。
「自分は仮面を外さないまま、相手だけ丸裸にする。
また、校則で禁止されている生徒同士での金銭の絡む商売、不純異性交遊をする事で共通の秘密と弱味を持たせ、相手にも身動き出来ないようにする」
それは、支配とは言わないだろうか。
そうすれば、誰も勝手に傍からいなくならない。
カガリは確信を持ってアスランを見据える。
「・・・お前は寂しがりやで傲慢なのさ。
だが、そのやり方じゃ真の友達は絶対に出来ないぞ」
「・・・馬鹿じゃないのか」
片手を胸から離す。
「勘違いも甚だしい。
まるで、俺が他人の心を欲しがってるように聞こえるが。
生憎、俺はどいつもこいつも十把一絡げのつまらない集団としか認識してない」
「そのつまらない集団をつまらない笑顔で掌握した気になってるお前は、一体どれ程のもんなんだ?
上手く世を渡る為?
何をそんなに怖がってるんだか。
心配しなくても、誰もお前のどす黒い本音なんて、お前自身が言った所でもう冗談にしか聞こえないだろうよ。
それ程お前は偽の自分像を完璧に築き上げてしまったんだからな」
黙り込んだアスランを見つめ、カガリは更に言い募る。
「お前がしている仮面は笑えないんだよ。
総てがバレた時、お前がどんな風に思われるか想像が出来るか?
絶対、ひとりぼっちになるんだぞ・・・!」
「・・・・バレるかどうかは仮定の話として・・・・女はいなくならないんじゃないか?」
「肉親の顔を潰したり泣かせたり、自身の卒業を欠けてまでお前を庇い立てする客がいるのか?」
「・・・・・・・・・・」
「アスラン・・・もう、やめろよ。
お前が剥がさなくても、お前が素で接すれば相手は仮面を外すんだぞ」
「・・・うるさい」
「聞けよ!あるがままのお前を受け入れてくれる人間だっている筈なんだ!
クラス内にだって・・・!!」
答えは返らない。
カガリは、段々苛々してきた。
「あぁ、もう!!本当に馬鹿だな!!
そんな事に気付かないなんて可哀相な奴だよ!!
もう一人きりで死ねばいいさ!!お前なんか!!」
―――――その瞬間、気温が下がった。
「・・・・・・・・・・・・・・黙れよ・・・・・!」
底冷えするような声が地を這う。
「あんたに何がわかるんだ。世間知らずの新米が・・・!」
明らかな怒気を孕んだ瞳にカガリは思わず怯む。
空いたもう片方の手が、スカートの中へと進入した。
「きゃあぁっ・・・?!」
目を剥き必死に身体を捩って逃げようとするが、意味は為さず。
遮るもののない不埒な指が、ゆっくりとカガリの下着の中に滑り込んだ。
そのまま指を上下させ、柔らかな肉の割れ目に触れた。
「あ…っンっ」
最も弱い部分に触れられ、耐えきれずに顔を激しく振る。
「暴れるなよ」
真上から覆い被さるように見詰めてくる瞳は、剣呑な光を潜めもせず。
「・・・はなせ・・・っ!この馬鹿・・・ぁ、んっ!」
語尾は、互いの喉の中に飲み込まれてしまう。
歯列をなぞって抉じ開けられ、舌を忍ばされ。
粘膜の擦れ合う感触が頭を痺れさせるのは恐怖故か、それとも。
「ふ・・・・・・、っ、ぁや・・・ぅ」
カガリの都合など考えない、噛み付くような口付け。
時折歯がぶつかるのを無視し、縮こまる舌を引きずり出し、ひたすら蹂躪するためだけの口付け。
「っ、は・・・、ん・・・んんっ」
乱暴だったかと思えば、途端にじっくりと舌を絡めとられ、整うことを忘れた呼吸。
アスランの歯が下口唇を甘噛み、ずるりと舌が口唇の表面を嘗め。
そしてまた口腔内に滑り込み。
その蠢く感触に、どうしても力が抜けてしまうのを止められない。
そんな容赦のない口付けに喘ぎ続けるカガリを見詰めながら、指の動きを止める事もやめない。
その小さなしこりを引っ掻くように擦り始めた。
「あっ、や…っァ、ア…っ! アス…らんっ、やぁ…っ」
熱い疼きが、カガリの芯を貫く。
駆け上がる波に耐えきれずカガリの腰が浮くが、アスランの膝によってまたまた阻まれてしまう。
「いれるよ」
唐突な言葉と共に、
―――何かが、入った。
「あぁっ!!」
鈍痛が走る。
思わず悲鳴を上げて、首を反らす。アスランが淡々とそれを増やしていく。
「二本目」
質量が増した。そして、更に。
「三本目」
「あぁっ・・・あ、やぁぁっ!!」
親指で花芽を擦りながら、三本の指がバラバラに動く。
「・・・あ、ぁ、あっ・・・はぁっ・・・・」
カガリは自分の声が変わっていくのに気が付いた。
身体の中に、まるで今まで塞き止められていた血液が勢い良く流れ込むように。
熱い感覚がカガリの内部でも放射状に広がっていく。
(・・・・・・・・・・・・・いや、だ・・・・・・っ・・・・)
アスランは指を激しく回転させ、次第に速度を上げながらピストンさせた。
長い指が膣口を出入りするたび、ぐちゅりぐちゅりと音が響く。
「ふぁっ! ん、・・・・んんぅ」
カガリの膝頭は電気刺激を受けたかのようにブルブルと震え、食いしばった唇からは鼻にかかった呻きがひっきりなしに漏れた。
指がカガリの最も敏感な部分をピンとはじく。
「んあぁ!」
中の指の動きが更に早まった。
同時に親指で花芽をこすり上げ、手のひらで襞をなぶる。
カガリは両手を振り乱し止めようとするが、がっちりとそれらを捕えたアスランの片手は逃がす事を許さず。
捕えたまま、自らの膝を女の股から外し、その足元に屈み込んだ。
自然、カガリの上体も前屈みになり。
「・・・・・な・・にす・・・っ!?」
驚愕に目を見開くカガリの前で、アスランが秘所に舌を潜り込ませた。
体の中心で発生した雷が、足先から頭の頂点までを容赦なく駆け巡った。
カガリの意識が白銀に染まる。
「ひゃあぁぁんっ・・・・!!」
体の奥深くから何かが大波のように押し寄せる。
腰を退き、アスランの頭を遠ざけようとするが、途端により深く潜り込んだ舌に腰を突き出すような形で反り返った。
その勢いで両手はアスランの手から外されたが、自由になった筈の両手は宙を掻き毟るように踊るだけ。
「いやっ・・・やだっ!!・・・あ・・・」
ぐっと眉を寄せ、歯をぎりりと食いしばり。
いやだいやだと拒否するように首を左右に振れば、
きつく閉じた瞳から、ぽろりと涙が伝い落ちる。
「あぁっ、あ、あぁんっ!!」
アスランは片腕でしっかりとカガリの腿を抱え、ガクガクと震える華奢な身体を支え、それでも責める手を止めない。
秘所から流れ出た液体が、白い太腿を伝っていく。
カガリは、自分の中で何かが殻を突き破って弾けようとしているのを感じた。
「あっあっ…!やだっ・・・変っ・・・っあぁんっ・・・やだ!やぁぁ・・・・っ!!」
迫り来る未知なる感覚に、その恐怖に、泣きながら身体をびくびくと揺らす。
そして、その気配を感じてもなお、アスランがカガリを許す筈もなく。
芯を激しく吸い上げた。
「――――・・・っっ!!!」
音にならぬ叫びが、弾けた。
宙を舞うような如何とも言い難い衝撃に、女の体が悲鳴を上げ激しく痙攣し崩れ落ちる。
余韻に喘ぐその様は目も眩む程に美しく、恐怖と快感に歪むカガリをアスランは満足気に眺めた。
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